疾患がメンタルに与える影響とは?
慢性疾患にかかるとメンタルにも影響が現れるようになります。痛みや倦怠感、吐き気など、身体面の苦痛が続くと気持ちが沈んでしまい、うつ病や不安障害などのメンタルの病に悩まされてしまうこともあるからです。慢性疾患が原因のメンタルの不調は、苦しみの元となっている疾患をケアしながらメンタルのケアも行っていきますが、多くの患者さんは慢性疾患との付き合いが始まるという現実を受け入れるまでに時間がかかります。患者さんの「こころ」がどのように変化していくのか、看護師としてあらかじめ知っておきましょう。
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疾患によるメンタルの問題
慢性疾患は身体の痛みやだるさなどの苦痛だけではなく、「こころ」にも大きな苦痛を与えます。慢性疾患による身体への影響が長く続くと、不安やイライラなどメンタル面の不調が目立つようになる場合があります。この場合、慢性疾患の治療を優先させつつも患者のメンタルケアも同時進行で行っていかなければなりません。重度のうつ病などメンタル面の不調が著しい場合には、抗うつ剤や精神安定剤などの薬剤を使った治療が行われる場合もあります。
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患者さんの「こころ」の変化
慢性疾患にかかった人はその現実を知ってから受け入れるまでにかなりの時間がかかります。受け入れるまでにはいくつかの段階を踏むこととなりますが、そのことを「障害受容」といいます。無気力状態になる「喪失」から「拒絶」「闘争」「折合」の段階を経てゴールである「受容」にたどり着く、という流れです。慢性疾患は治療が長期間に渡るのでそれぞれの段階を行き来することもありますが、最終的に受容できるようになると、生きがいを感じながら無理のないペースで生活できるようになります。