「代表的な慢性疾患を知る」

慢性疾患によるメンタルの変化

患者さんの「こころ」の変化

患者さんの「こころ」の変化

慢性疾患にかかると、身体だけでなく「こころ」にも大きな変化が生まれることが多いものです。一過性の疾患なら一時的なものですが、慢性となると疾患との長く付き合っていかなければなりません。慢性疾患を抱える多くの人にとって、メンタルケアは疾患の治療と同じぐらい大切なことです。

慢性疾患を抱える人の「こころ」

慢性疾患を抱える人の「こころ」

慢性疾患の人にとって最初の壁となるのが、疾患の治療を開始するときです。一生続けなければならないような治療なら強いショックを受けるかもしれません。ですが、一度治療を開始してみると治療前よりも気持ちが楽になります。それは、治療によって身体の痛みや苦痛が緩和され、生活の質が向上したと感じているからですが、人の心は変化するものです。慢性疾患に伴うこころの痛みも都度、変化していきます。では、患者さんはどのようなステップで慢性疾患という現実を受け入れていけばいいのでしょうか。

慢性疾患を受け入れるまでの心の変化

慢性疾患を受け入れるまでの心の変化

慢性疾患にかかるとその事実を受け入れるまでにいくつかの段階を踏むことになります。その経緯については「障害受容」という理論があります。障害受容とは、病気のショックから無気力状態になる「喪失」、病気のことを考えないようにする「拒絶」、病気のことだけを考えて病気と闘おうとする「闘争」、少し余裕が生まれてくる「折合」、病気に対して前向きになり、無理のない自己管理が可能になる「受容」の5段階で構成されています。
どの人もこの通りに進んでいくわけではなく、人によっては各段階を行ったり来たりしながら受容に向かって進んでいきます。慢性疾患の場合は治療が長期間に及ぶため、症状が変化する度にさまざまな心理状態に陥ります。しかし、その度に葛藤しながら受容に向けて自分の心を状況に適応させていくのです。

最終的に目指すのは受容

最終的に目指すのは受容

慢性疾患にかかった人が最初のショックからさまざまな葛藤を重ねながらも、最終的に目指すべきところは「受容」の段階です。受容とは、慢性疾患に罹患したことを機に自分がやりたいことを見直して、生きがいを感じながら生きていけるようになるという段階です。「喪失」の段階にある人は、生きがいなど考える余裕はまだないでしょう。まずは落ち着くことを目指しましょう。
「拒絶」や「闘争」の段階になると疾患のことを考えないようにするために、なりふり構わない行動に出てしまったり、疾患のことを考えすぎるあまりやりたいことを見失ったりしてしまいます。その段階ではかなり苦しみが伴いますが、こころが少し落ち着いてくるとだんだん「折合」がつくようになります。
このようにしてさまざまな葛藤や落ち着きを行ったり来たりしながら、時間の経過と共にゴールである受容へとたどり着くのです。

慢性疾患病院でのお仕事

治療が長期に渡る慢性疾患は患者さんの負担も大きいため、看護師は患者さん一人ひとりとじっくり向き合いながら適切にケアしていかなければなりません。当サイトでは慢性期病院で働くにあたって看護師として必要なことや転職方法を紹介していますので参考にしてみてください。なお、当サイトに関するお問い合わせは【こちら】まで。

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