「これぞ看護師」という仕事ができる
看護師のイメージといえば、いつも笑顔で優しく患者さんに寄り添う姿かもしれません。しかし、現実は仕事に追われるばかりで患者さんとじっくり向き合う暇もなく、流れ作業のように看護仕事をこなすだけの日々を繰り返している、という看護師も少なくありません。しかし、慢性期病院では長期入院の患者さんとゆっくり向き合うことができます。患者さんの異変にいち早く気付くためにとの日々のコミュニケーションは欠かせません。また、慢性疾患の患者さんの多くは病状が安定しているので、容態が急変して思いがけない残業が発生することもほとんどありません。
仕事を覚えやすく働きやすい
慢性期病院の看護師には夜勤がありますが、病状が安定している患者さんが多いため比較的穏やかに仕事ができます。シフトが2交代制か3交代制かは人によって好みが分かれますが、生活リズムのことを考えると2交代制のほうが働きやすいと感じるかもしれません。2交代制だと勤務時間が長いため仮眠時間が欲しいところですが、慢性期病院はほとんどルーチンワークとなっているので仮眠が取りやすく、身体への負担を少なくおさえられます。
慢性疾患の患者さんは病気や合併症と長く付き合ってきた人が多く、同じ疾患でも人によってそれぞれ経緯が異なります。そのため、さまざまな患者さんと接することで経験値が増え、看護師としてのスキルが磨かれていきます。そうしたスキルは、訪問看護師や施設看護師などのキャリアを考えている人にとっても重要なスキルです。今後のことを考えて慢性期病院でキャリアを積むのもひとつの方法です。
スタッフに目を向ければ、慢性期医療のスペシャリストとして長年その分野で活躍してきたベテランもいるため、そうした人々から実践的な指導を受けられるメリットもあります。ベテラン看護師が多い病院は出産や育児に理解があるため、ライフステージの変化に応じて働くことができます。
急性期病院から慢性期病院へ転職したAさん
急性期の内科で3年の経験を経て慢性期病院へと転職したAさんがまず気付いたことは、慢性期病院の夜勤と急性期病院の夜勤の違いでした。3交代制から2交代制になり、安定した病状の患者さんのケアが主な仕事となったことで夜勤の負担が大幅に減ったそうです。患者さんとじっくり向き合いながら看護の仕事をしたいと考えていたAさんにとって、慢性期病院はやりがいと働きやすさの2つが手に入る職場だったそうです。
家庭と両立したくて慢性期病院に転職したBさん
Bさんは出産を期に急性期から慢性期病院へと転職しました。大きな決め手となったのは、出産・育児に対する職場の理解です。常に忙しない急性期よりも、ルーチンワークでやることが決まっている慢性期病院の方が理解が得やすいため、家庭と仕事をうまく両立してきた先輩も多かったようで、家庭と両立したいBさんは働きやすいと感じたそうです。